健康診断の成り立ち

当院は、病気の早期発見という観点から、健康診断にも力を入れており、健診センターが併設されています。
健康診断の検査メニューは、

がん

動脈硬化性疾患

その他

の3分野に分かれています。とくに①②は、日本人の死因の上位に来るものです。

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がんに関する項目としては、胸部X線、胸部CT、胃バリウム検査、上部消化管内視鏡、腹部エコー、腹部CT、検便(ヒトヘモグロビンなど)、下部消化管内視鏡、などが該当します。

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“動脈硬化性疾患”とは、脳卒中、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤(脳、腹部、胸部など)、閉塞性動脈硬化症など、多岐にわたります。この動脈硬化を起こす原因となるのが、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などであり、主に血液検査や尿検査で判明します。(このほかにも、喫煙や睡眠時無呼吸症候群などが動脈硬化の原因になります)

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これらの項目で異常があれば、まずは動脈硬化の現状(頸動脈エコー、脈波検査など)を評価させていただきます。
“その他”に関しては、肝機能障害、貧血、骨粗しょう症、間質性肺炎、心臓弁膜症など、多岐にわたる疾患が判明することがあります。

健康診断の判定の意味合い

健康診断の各項目において、おおよそA~E(健診機関によってはFやGまであります)に区分されています。当院では、それぞれ、

A:異常なし

B:所見は認められるが、異常なしと同等

C:1年後経過観察

C1:6か月後の経過観察 ないし 生活習慣の改善

C2:3か月後の経過観察 ないし 生活習慣の改善

D1:受診あるいは治療が必要

D2:精密検査

E:治療中

のようになっています。
Aは放置で可。Eはすでに治療されているので問題ありません。

ややこやしいのはB~D2です。各項目だけ見ていれば、たしかに妥当な判定かもしれません。しかし、たとえばですが、尿たんぱく(±)は、ごく軽度の腎機能障害なので、通常B判定となりますが、高血圧や糖尿病のような腎臓が障害されやすい人にとっては、すでに腎障害が始まっているという意味合いなので、透析への道を歩み始めている可能性が高いわけです。なので、C~D判定くらいの重みがあります。

一方で、D1やD2と判定されていても、検査や全身評価において大したことなければ、健康診断で経過観察するだけでOKという判断になることも少なからずあります。

すなわち、健康診断の各項目は、単独で見ていると、解釈を間違える可能性があります。全身状態を把握した上で、各項目の意味合いを考えなければなりません。一番良いのは、自分の体をよく知ってくれている“かかりつけ医”の先生に、健康診断の結果表を見てもらい、解説してもらうことだと思います。もしも“かかりつけ医”がみえないようでしたら、当院の健康診断の結果かどうかにかかわらず、ご説明させていただきますので、お気軽にご相談ください。

二次検査の実際

健康診断・ドックは、自由診療ですので医療保険の対象外ですが、二次検査は、見つかった異常に対する診療になりますので、医療保険の対象となります。

実際に、どの項目の異常で、どのような二次検査が必要になってくるのか、当院での具体的な実例を挙げてみます。(状況によって、検査内容が異なることがあることを、ご承知おきください)

症状名検査内容
血圧上昇(高血圧症を含む)頚動脈エコー・脈波検査(必要に応じて血圧を上昇させるホルモンの血液検査)
→そのまま通院投薬治療なども可能です。
脂質異常症頚動脈エコー・脈波検査
→そのまま通院投薬治療なども可能です。
低脂血症甲状腺ホルモンの血液検査など
血糖上昇(糖尿病を含む)頚動脈エコー・脈波検査・眼底検査・尿中アルブミン検査・各種血液検査(インスリン分泌能、抗GAD抗体など)
→そのまま通院投薬治療なども可能です。
胃部X線検査異常上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)検査
便潜血陽性下部消化管内視鏡(いわゆる大腸カメラ)検査
胸部X線異常胸部CT、心臓エコー、血液検査
心電図異常心臓エコー、24時間心電図(Holter心電図)、血液検査
※運動負荷心電図・冠動脈CTなどが必要な際は、専門医療機関にご紹介します
腹部エコー検査異常腹部CT、腹部MRI(MRCPを含む)、血液検査
尿検査異常尿再検および詳細な尿検査(尿蛋白定量、尿細胞診、尿沈渣など)
下腹部エコー、腹部CT、血液検査
肝機能障害腹部エコー、腹部CT、肝炎ウイルスなどの血液検査
→脂肪肝であれば、そのまま通院経過観察なども可能です
腎機能障害詳細な尿検査(尿蛋白定量、尿沈渣など)、血液検査、腹部エコー、腹部CT
呼吸機能検査異常胸部CT、SpO2評価
貧血症血液検査(鉄代謝、ビタミン欠乏など)、上部消化管内視鏡、検便、(婦人科受診)
→鉄欠乏性貧血であれば、そのまま通院投薬治療なども可能です。
多血症血液検査(エリスロポエチン、ビタミンB12)、睡眠時無呼吸検査など
PSA高値前立腺MRI、血液検査(Free/Total PSA)
ピロリ菌抗体陽性上部消化管内視鏡、尿素呼気検査
→ピロリ菌除菌も可能です。
婦人科検査異常当院に婦人科外来がございますので、ご対応させていただきます。
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その他の各種異常に関しても、極力、当院の外来診療部にて対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。 なお、

乳腺検査異常

脳動脈瘤

眼底検査

視力検査

聴力異常

などに関しては、専門医療機関を受診いただくか、必要に応じて当院よりご紹介させていただきますので、遠慮なくお申し付けください。

二次検査のお願い

われわれが強調したいのは、健康診断は、やりっぱなしにしては何の役にも立たないということです。

要経過観察・要精密検査などの判定(D以上は絶対、できればC以上で)が出ましたら、まずは命にかかわる悪い病気が隠れていないかどうか見極めるために”二次検査“を受けられる事が大切で、その先に健康と幸せが待っているものだと考えております。

お気軽にご相談ください。